情報社会で様々な情報を得られるようになった私たちは、与えられた情報をもとに知ったつもりになっていることが多いのではないか…。
ある時、情報をもとに頭で考えている地球と、本来の今ある地球とのズレを感じた木村さんは、このズレを埋める手段として、様々な地球の持つ見えない力を知覚する装置を作ってきました。
装置を作る制作過程はまるで科学者のよう。
完成までに、何度も実験、観察、発見が繰り返されています。
そして、この装置を利用した作品に触れることで、皆さんにも自分が感じた自然の力を同じように体験してもらいたいと考えているのです。
木村さんは、日常生活の中で見過ごしてしまっている地球の力を、もっと色々な切り口から体感したいと考え、2006年に東京から南アルプスの麓にある早川町に活動拠点を移しました。
築150年ほどの藁葺屋根の古民家を改築しながら暮らす木村さん。
フキノトウの芽吹きに春を感じ、薄若緑色にモリモリとし始める山の木々に生命力をもらい、伸びる雑草とにらめっこしながら盛夏を戦い、山葡萄の実が膨らむのを楽しみにしながら秋を迎え、色づく山々に晩秋を感じながら寒い冬の支度に追われ、空を埋め尽くすような星空をみながら春を待つ大寒を過ごす・・・。
都会では感じられなかった、美しくも厳しい自然の力を毎日感じて、今日も地球と遊ぶことができる作品が制作されています。
しかし、なぜ地球だったのか、なぜ遊ばなくてはいけないのか…
『地球と遊ぶ』というコンセプトには、一体どんなメッセージがこめられているのでしょううか。
ここでは、木村さんの学生時代から現在に至るまでのコンセプトの移り変わりについてご説明します。
現在の作品については、作品スタイルが多岐に分かれるため、それぞれの作品ジャンルについては「作品集」でご紹介いたします。